LG21乳酸菌(Lactobacillus gasseri OLL2716株)は、明治(旧・明治乳業)が東海大学との共同研究をきっかけにして、熱心な乳酸菌研究の末に発見・製品化させた乳酸菌の1種です。
LG21乳酸菌は「発がんリスク」の1つである、胃内のピロリ菌に対して抑制効果を発揮することが研究で確認されており、さらなる有効性と将来性が期待されています。
LG21乳酸菌は、正式名称「Lactobacillus gasseri OLL2716株」の頭文字である「L」と「G」、そして輝かしい21世紀への希望を込めて「21」が名前に付けられた乳酸菌の1種です。
この菌は強酸性の胃酸に対して抵抗力があり、胃の中でも死ぬことなく働けるなど、人の健康を助ける乳酸菌として注目されています。
LG21乳酸菌は、明治が保有していた2,500種類もの乳酸菌の中から、胃酸に耐えて腸内でしっかりと働ける乳酸菌として見付け出された乳酸菌です。
その効果は明治だけでなく、大学や製薬会社などの専門機関で研究され、人の健康にとって非常に有益であるというデータも多数報告されています。
そうした期待感は市場にも浸透し、明治から「プロビオヨーグルト」シリーズの1つとして発売されているLG21乳酸菌配合のヨーグルト製品は、1日あたり平均100万個以上も売れているほど、多くの人々から支持されているのです。
なお、LG21乳酸菌は酸素に弱いという性質があり、市販のLG21ヨーグルトと牛乳を一般家庭で培養しても、LG21乳酸菌が入ったヨーグルトを作ることはできません。
プロビオヨーグルトLG21には、他の乳酸菌が含まれていますので、ヨーグルトを作ることはできます。 ただし、LG21乳酸菌は、空気(酸素)に弱いため培養が難しく、一般家庭では同じヨーグルトを作ることはできません。
引用元:明治公式サイト「Q&A プロビオヨーグルトLG21を種菌にしてヨーグルトを作れますか」(2018年10月10日参照)
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、1979年にオーストラリアの研究グループによって発見された、胃の中に生息している細菌。慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの原因になるとされており、世界保健機関(WHO)によって「確実な発がん因子」であると認定されました。
日本では、全人口のおよそ半数がピロリ菌に感染しているといわれ、40歳以上の年代では、70%もの人が感染者であるといわれています。
ピロリ菌の除菌は、胃がんをはじめとする胃疾患の予防法として重要視されており、医療機関においては、抗生物質などの薬剤による治療が行われています。しかし、中には抗生物質に対する耐性を獲得したピロリ菌も存在し、薬物療法の乱用が結果的にピロリ菌の生存率を上げてしまうという問題も指摘されてきました。
そんな状況の中、LG21乳酸菌に抗ピロリ菌作用があるという研究結果が報告され、整腸作用だけでなく、胃がんの発生リスクを低下させられるという機能に、世界中から大きな注目が集まったのです。
このLG21乳酸菌とピロリ菌の関係についての研究によって、明治と東海大学医学部の共同研究グループは、2003年度農芸化学技術賞を獲得しました。
なお、LG21乳酸菌のように、動物の腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランス状態を改善して動物の健康に有益な効果をもたらす生きた菌類は「プロバイオティクス」と呼ばれ、医療分野や研究分野など様々な場所で活躍しています。
ガセリ菌SP株のもう1つの特性は、その有効性が単に便通の改善などにとどまらないという点でしょう。 人やマウス、線虫などを使った様々な実験や研究により、ガセリ菌SP株には「内臓脂肪の低減効果」や、インフルエンザウィルスや歯周病菌などに対する「感染予防効果」、「寿命延長効果」、「ストレス軽減効果」といった、人の健康に対する様々な有益性が確認されています。 そしてまた、これらの研究・商品開発の成果によって、雪印メグミルクは日本栄養・食糧学会から平成30年度「技術賞」を授与されました。
LG21乳酸菌の最大の特徴は、ピロリ菌抑制作用による、胃の諸症状の改善と予防です。
ピロリ菌は胃がんの発生要因として大きなウェイトを占めるとされており、動物の胃内に生息するピロリ菌の抑制効果があるとされるLG21乳酸菌は、人の健康寿命を延ばすプロバイオティクスとして高い関心を集めています。
ピロリ菌感染者は日本入全体の約半数と推定され毎年その5%の人が胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍を発症する。さらに0-5%の人は胃癌を発症することが多くの疫学調査によって明らかになっている。しかし、これに対してピロリ菌感染者全員に抗生物質除菌を行うことは、耐性菌の出現、医療コストなどの観点から不可能である。
引用元:(PDF)古賀泰裕,他(2004)「Helicobacter pylori抑制効果に優れたプロバイオティクスヨーグルトの開発」(2018年10月10日参照)
それまでは胃酸分泌抑制剤などで胃十二指腸潰瘍の治療を受けても、ピロリ菌の感染を放置したままでは患者の60~70%は2年以内に潰瘍を再発していたのが、抗生物質などを使ってピロリ菌を除菌しておくと2年以内の再発率を10%以下に抑えることができるようになった。
引用元:(PDF)古賀泰裕,他(2004)「Helicobacter pylori抑制効果に優れたプロバイオティクスヨーグルトの開発」(2018年10月10日参照)
まずLG21を含まないプラセボヨーグルトを1日2回連日8 週間摂取し、次にLG21を10の9乗CFU含むヨーグルトを同様に8週間摂取した。これらの摂取前後で上記の検査を行った。その結果、29名で行った尿素呼気テストでは、プラセボヨーグルト摂取前後で差はなかったが、LG21入りヨーグルト摂取前後では胃内ピロリ菌数の低下を意味する呼気CO2値の有意な減少(p<0.05)が認められた。
引用元:(PDF)古賀泰裕,他(2004)「Helicobacter pylori抑制効果に優れたプロバイオティクスヨーグルトの開発」(2018年10月10日参照)
2009年にクラリスロマイシン耐性ピロリ菌などの耐性菌も含めて、乳酸菌OLL2716株を除菌療法に併用することで、効果的に除菌することを確かめました。
上記の研究データは、LG21乳酸菌が動物の胃内でピロリ菌の活動を抑制するという作用だけでなく、薬剤耐性菌にも効果があるということを示唆しています。
ピロリ菌は胃がんの発症リスクを高める要因として知られていますが、抗生物質による除菌を続けると薬剤耐性菌が発生し、抗生物質での治療が困難になるという問題がありました。
しかし、薬剤耐性をもったピロリ菌に対してLG21乳酸菌が優れた抑制機能を持っているのであれば、将来的な胃がんの発症リスクや、その他の胃病のリスクの軽減にも効果が期待できそうですね。
機能性ディスペプシア(FD)とは、胃痛や胃もたれといった、胃の不快感があるにも関わらず、内視鏡などの検査では原因や異常が発見されない病気です。2016年には判断基準が改正され(RomeⅣ基準)、以下の4つの症状の内、少なくとも1つ以上の症状が半年前からあって、3ヶ月以上も生活に悪影響を及ぼしている場合、FDとして診断されます。
12週間乳酸菌OLL2716株入りのヨーグルトを食べたグループは、乳酸菌OLL2716株の入っていないヨーグルトを食べたグループに比べ、胃の症状が改善傾向を示し、全般的な胃の症状が「非常に良くなった」または「良くなった」人は、乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルトを摂取したグループで約16ポイント高くなりました。
FDを発症すると、症状の辛さから集中力が低下したり、夜に眠れなくなったりと、生活の質が低下し、食事も満足に摂れなくなるという問題も発生します。
その結果、体調面の悪化を招くだけでなく、FDによるストレスからうつ症状を発症し、精神面でも深刻なダメージを受けてしまう可能性があります。日々の生活を安定させるために、FDの改善は非常に重要なことなのです。
LG21乳酸菌の発見の歴史は、1997年の初夏に株式会社明治(当時の明治乳業)へかかってきた1本の電話からスタートしました。当時、乳酸菌の整腸作用などについて研究をしたいと考えていた東海大学医学部の研究グループが、明治に共同研究を依頼したのです。
そうして始まった「胃酸に負けない、強い乳酸菌の発見」でしたが、なかなか簡単には進みませんでした。明治の研究所に保管されていた乳酸菌の菌種はおよそ2,500以上あり、その中から理想の乳酸菌を探すのは困難を極めました。しかし、研究チーム発足から2年が経過した1999年7月、ついに乳酸菌「Lactobacillus gasseri OLL2716株」が発見されたのです。
その菌は、21世紀という未来への希望を込めて「LG21」と名付けられました。そして現在、LG21乳酸菌は整腸作用だけでなく、ピロリ菌への効果的な対策方法として、数多くの人から支持されています。
LG21乳酸菌の周辺で、明るい話題が続いています。
2017年6月、明治からLG21乳酸菌が使われたヨーグルト「LG21」シリーズにおいて、累計販売数が70億個を突破したというニュースが発表されました。
この数字は、単純計算で毎日100万個以上の商品が購入されていることになり、LG21乳酸菌がいかに多くの人々の健康を支えているのかという事の証しとも言えそうです。
株式会社明治(代表取締役社長:川村和夫)が発売している「明治プロビオヨーグルトLG21」(以下、「LG21」)シリーズが、累計販売数70億個を突破しましたのでお知らせします。
明治の研究所と、東海大学医学部が共同で発足させた研究チームが、2003年、LG21乳酸菌のピロリ菌に対するプロバイオティクスについてまとめた研究報告により、2003年度農芸化学技術省受賞を受賞しました。
これは、LG21乳酸菌の有用性と、その研究成果の価値がはっきりと認められた結果と言えます。
明治が保有し、東海大学医学部やわかもと製薬株式会社と研究・開発を続けてきたLG21乳酸菌について、明治(当時の明治乳業)とわかもと製薬が出願していた特許の取得が、2000年11月末に認められました。
特許は、LG21乳酸菌が持つ胃酸耐性や低pH条件下での生育性、ピロリ菌と混合培養した際の増殖阻害性といった、それまでに明治らが導いてきた研究データをもとに出願され、発明の名称としては「Helicobacter pylori 除菌性飲食品」とされています。
明治乳業株式会社保有の乳酸菌LG21 ( 「Lactbacillus gasseri OLL 2716 株」) が、Helicobacter pylori(以下ピロリ菌)の除菌性及び感染防御性について特許を取得しましたのでお知らせいたします。(特許番号第 3046303 号)
今回の特許取得により、ピロリ菌除菌性及び感染防御性を有する「Lactbacillus gasseri」に属する乳酸菌を使用した飲食品の製造、販売は明治乳業とわかもと製薬の2社の独占となります。
引用元:(PDF)わかもと製薬及び明治乳業、東海大学共同研究 乳酸菌LG21 に関する特許取得のお知らせ(2018年10月10日参照)
LG21乳酸菌は特許によって保護されており、それを用いた製品開発や販売を行っているのは、基本的には明治とわかもと製薬のみ。そして、LG21乳酸菌が配合されている製品の代表例と言えば、明治が展開しているヨーグルト「LG21」シリーズです。
「LG21」シリーズのヨーグルトは、ドリンクタイプや宅配専用商品も合わせると、合計10アイテムが発売されており、通常のヨーグルトから、低脂肪タイプ、砂糖不使用タイプ、低糖・低カロリーのドリンクタイプ、ブルーベリーなどのフルーツが配合されたタイプまで、豊富なバリエーションが展開されています。
ただし、どんなに素晴らしい効果が報告されている乳酸菌であっても、それが誰にでも効くというわけではありません。菌と腸内環境には相性があり、自分の腸に合っていない菌を摂取しても、あまり意味がないのです。いろいろ買ってみて試してみる、というのも楽しいかもしれませんが、自分に合う菌と出会うためには、それなりにお金と時間をかける必要があります。
そこで、自分に合った菌を探すのに役立つツールとして「乳酸菌相性チェッカー」を用意してみました。乳酸菌選びで迷っている方は、ぜひ活用してみてください!
管理人:蝶野ハナ
乳酸菌と人との関係、菌株ひとつひとつの個性、数多くの研究データ……乳酸菌って、知れば知るほどスゴいんです。私たちにとって最も身近な細菌について、もっともっと深く知りたくないですか?