よくコンビニやスーパーで見かける「L92乳酸菌」。「L92乳酸菌があるのは知ってるけど、どんな効果があるのかよく知らない…」という人が多いのでは?
L92乳酸菌には、免疫機能を調整してくれる力をはじめ、アレルギー性皮膚炎や花粉症といった症状を緩和してくれる作用があるのです。
L92菌はカルピス社が長年の研究によって開発された独自の乳酸菌です。体内を常にパトロールしている細胞「NK(ナチュラルキラー)細胞」を活性化させてくれる乳酸菌なので、生活環境の変化や免疫バランスが崩れることが多い現代人だからこそ摂取しておきたい成分の1つだと言えます。
「L92乳酸菌」が夏の暑さによる免疫力の低下を抑える可能性が確認されました。そこで実験用のマウスを以下の3つのグループに分けて、L92乳酸菌が免疫力に効果があるかを調べる研究が行われました。
グループ2と3は室温を35度にして3日間飼育。グループ3には、さらに通常エサにL92乳酸菌を加えて毎日摂取させました。
試験期間の終了後に、体内に侵入した有害な細胞を破壊してくれる免疫細胞「NK細胞」の活性度を測定し、L92乳酸菌が免疫力に与える影響について調査されました。
グループ1とグループ2のマウスで比較すると、グループ2で免疫細胞であるNK細胞の活性化力が低下しているのが分かりました。一方L92細胞を摂取していたグループ3は、NK細胞の活性化力に変化はなくNK細胞の活性化力をキープ。
このことから、L92乳酸菌を継続的に摂取すると、夏の暑さによる免疫力低下を抑えられる可能性があることが分かりました。
しかし、今回はあくまでもマウスでの実験結果のため、人間も同様の結果が得られるのかはまだ不明です。 [注1]
1歳から12歳のアトピー性皮膚炎の子ども50名を対象に、「L92乳酸菌(粉末100mg)を含む食品を食べるグループ」「L92乳酸菌(粉末100mg)を含まない食品を食べるグループ」の2つを用意。8週間後に皮膚症状の様子を見て、L92乳酸菌はアトピー性皮膚炎症状の緩和に効果があるのかを観察しました。
観察スタート時の皮膚症状を0として、皮膚症状の点数を8週間付け続けました。L92乳酸菌を含まない商品を摂取した子どもに比べて、L92乳酸菌を摂取し続けた子どもの皮膚症状に改善の様子が見受けられました。
その結果から、L92乳酸菌はアトピー性皮膚炎症状の緩和に効果があることが証明しました。
研究の内容は1歳から12歳を対象としていましたが、現在は乳幼児(生後10ヶ月~3歳未満)から大人までのアトピー性皮膚炎症状の効果が確認されています。[注2]
L92乳酸菌がインフルエンザに効果があるのかを調査するため、実験用マウスを以下の2つのグループに分けました。
16日目にそれぞれのマウスにインフルエンザウイルスを投与。試験開始から22日目までに、インフルエンザウイルスの影響を一般観察と体重測定を継続的に行いました。また、インフルエンザに感染した場合は1日目・3日目・6日目に肺のウイルス価測定、NK活性化測定、病理検査、サイトカイン測定を実施し、L92乳酸菌の効果を調査しました。
実験の結果からはL92乳酸菌を摂取していたマウスを対照するグループと比較すると、肺のNK細胞の活性値が高く、行動量の減少や毛並みの悪化と言った目立ったインフル症状も少ないことが分かっています。インフル感染初期に肺のNK細胞を活性化させるとインフルエンザのウイルスに効果があるということも発見。
肺のNK細胞が活性化することで肺ウイルス数が抑えられているという研究結果も見つかっているので、同時に肺の病態悪化を防げる期待が高まっています。 [注3]
花粉症の方80名を対象に、下記の通りにそれぞれを摂取するグループを4つに分けて、8週間経過を観察。摂食前と摂食後の花粉症(眼と鼻のかゆみ)に対する自覚症状を調査しました。
L92乳酸菌を摂取した人は、摂食する前と8週間後の「眼のかゆみ」「鼻のかゆみ」において大きな変化が確認されました。なかでもL92乳酸菌を180mg摂取したグループの症状が大きく改善。この結果からは、L92乳酸菌がたくさん含まれているものほど、花粉症改善に期待できることが分かりました。L92乳酸菌が含まれていないプラセボを摂取したグループにも変化は見られましたが、さほど変わらないようです。
今回の研究はあくまでも自覚症状をもとにした検証。まだ「花粉症の改善」と踏み込んだ研究結果は出ていません。[注4]
管理人:蝶野ハナ
乳酸菌と人との関係、菌株ひとつひとつの個性、数多くの研究データ……乳酸菌って、知れば知るほどスゴいんです。私たちにとって最も身近な細菌について、もっともっと深く知りたくないですか?