ビフィズス菌JBL05株は、森下仁丹株式会社がヒトの腸管から独自に発見したビフィズス菌です。この菌が産生する多糖体には、抗アレルギー作用や肌の水分を保持する働きを持つことが、これまでの研究で発表されています。ここでは、ビフィズス菌JBL05株の働きの概要や、実験を通じた科学的エビデンス、配合されている商品などの情報を詳しくご紹介します。
ビフィズス菌JBL05株は、森下仁丹株式会社が発見・開発したヒト由来のビフィズス菌。これまでの研究により、抗アレルギー作用や免疫力増強作用といった働きのほか、皮膚に塗布することによる保湿効果が高いことも確認されており、すでに同社からはビフィズス菌JBL05株等を配合した基礎化粧品が販売されています。
この菌には、EPSと呼ばれる菌体外多糖を産生する性質があります。「EPS」とは「エクソポリサッカライド」の略で、乳酸菌をはじめとする微生物が菌体外に産生する多糖体の総称。「多糖」とは、糖が複数繋がった物質のことで、食品の粘りの多くはこの「多糖」によるものです。
菌体外多糖は、腸内の免疫システムで総司令官の役割を果たす「パイエル板」の免疫調整作用に働きかけることで、免疫力を高めてくれます。
人工的にアレルギー症状を誘発したマウスに対し、ビフィズス菌JBL05株等を経口投与。結果、アレルギー症状の有意な改善作用が見られました。
マウスの腸管から摘出したパイエル板の細胞を培養。ビフィズス菌JBL05株から生まれた多糖体を添加したところ、免疫賦活作用が確認されました。
なお、パイエル板とは、小腸にある絨毛の存在しない組織。長くその役割が不明とされてきましたが、1970年以降の研究により、パイエル板は免疫機構における重要な働きを持つ組織であることが分かりました。「IgA」等の抗体を産生して免疫を制御するという役割を持っています。ビフィズス菌JBL05株や、その産生物である多糖体を皮膚に塗布することにより、皮膚の保湿力が維持されることが分かっています。また、同じく皮膚に塗布することにより、傷が早期に治癒する作用があることも確認されました。
森下仁丹株式会社では、ビフィズス菌JBL05株、およびビフィズス菌JBL05株から生まれる多糖体(BPS)を用いたマウス実験を行っています。実験の結果、ビフィズス菌JBL05株と多糖体(BPS)の双方に、抗アレルギー効果があることを発見。また、多糖体(BPS)には、腸管における免疫力増強作用があることも確認されました。
マウスの耳介に対して人工的にアレルギー様皮膚炎を誘発させ、その後、マウスにビフィズス菌JBL05株、およびビフィズス菌JBL05株から生まれた多糖体(BPS)を投与する実験を行いました。以下、森下仁丹株式会社がプレスリリースした記事を紹介します。
7 週齢雄性 BALB/cマウスの耳介にアレルギー誘発物質(2,4,6-trinitro-1-chlorobenzene, TNCB)を塗布し、アレルギー様皮膚炎を誘発させた。その後、リン酸緩衝液(対照群)、プレドニゾロン(陽性対照群)、B.longumJBL05 菌体、B.longumJBL05 産生多糖を 1 日 1 回、約 3 週間経口投与したところ、B.longumJBL05 菌体、B.longumJBL05 産生多糖の投与、マウスの耳に誘発させたアレルギー様皮膚炎を抑制することが分かり、ビフィズス菌体のみならず、ビフィズス菌の産生物にもアレルギー抑制作用があることを見出しました。
引用元:森下仁丹株式会社「森下仁丹独自菌株『Bifidobacterium longumJBL05』が産生する多糖にアレルギー抑制作用を確認!」(pdf)
マウスを対象とした実験では、有意な抗アレルギー作用を確認したとのこと。ビフィズス菌JBL05株のみならず、ビフィズス菌JBL05株から生まれる多糖体(BPS)にも同様の作用が見られた点に注目したいところです。
ビフィズス菌産生多糖の添加により、培養上清中のIL-4、IL-6、IL-10産生量が増加したが、特にIL-6産生量の増加が顕著であった。パイエル板細胞mRNAを用いた発現量解析においても、同様の結果が得られた。(中略)さらに、パイエル板培養上清の添加により、ビフィズス菌産生多糖添加濃度依存的に、骨髄細胞の増殖促進効果が認められた。これらの結果より、ビフィズス菌産生多糖が腸管におけるパイエル板免疫調節作用に賦活効果を及ぼしていることが示唆された。
引用元:大阪府立大学大学院・森下仁丹株式会社バイオファーマ研究所「Bifidobacterium longumJBL05が産出する新規多糖のパイエル版免疫調節作用」(pdf)
この実験結果から、免疫力についてビフィズス菌 JBL05株が産生する多糖が作用していることが示唆されました。
「IgA抗体」は、粘膜中に分泌されており、外からの敵が侵入するのを阻止するという働きを持つ抗体。腸に多く存在してさまざまな病原体に反応してくれます。そのため、IgAが低下してしまうと病気にかかりやすく、疲労感も高まってしまうため、健やかな生活を送る上では非常に重要な抗体です。
なお、この実験はパイエル板細胞を摘出して行った実験ですが、同社では引き続き、マウスへの経口投与による免疫機能の変化について研究中です。
大阪府立大学により報告された下記の研究は、ビフィズス菌 JBL05株が新たに作り出す多糖の免疫調節作用について明らかにしたもの。特にアレルギーの抑制効果について焦点を当てたものとなっています。
本研究では、BALB/cやアトピー性皮膚炎モデルであるNC/Ngaマウスの耳介に、ピクリルクロライドを塗布することで感作・誘発した皮膚炎に対する、Bifidobacterium longum JBL05株産生新規多糖の効果を検証した。その結果、本多糖の経口投与により、耳介肥厚化の抑制が認められ、血漿IgE量の減少傾向が確認された。多糖非産生ビフィズス菌に比べ、多糖産生JBL05株の方が耳介肥厚化抑制効果が高かったことからも、多糖の効果が示された。
「IgE」とは、体に入ってきたアレルゲンに対し働きかける役割を持つ抗体。通常、IgEは血液中には非常に少ないのですが、アレルギー体質を持つ人の血液にはIgEが多く存在すると言われています。上記の実験ではIgEの減少が認められたことから、ビフィズス菌 JBL05株が産生する多糖はアレルギーに作用すると考えられています。
この研究で得られた効果は、経口投与だけではなく、皮膚炎への直接塗布でも同様に認められています。
ビフィズス菌 JBL05株が菌外に作り出す多糖体「ビフィズス菌多糖体」は優れた保水力を持っており、水分を含んで外から与える「保湿効果」「水分保持効果」、そして肌のバリア性を高めて潤いを保つ「皮膚バリア効果」を持つとされています。
そのため、ビフィズス菌 JBL05株をヒトの腸管から発見した森下仁丹株式会社では、肌の保湿成分に注目し、肌に潤いを与える基礎化粧品を製造・販売しています。
長年にわたるビフィズス菌研究により、肌に足りない水分を外から与える新成分‘ビフィズス菌多糖体’を発見し、新配合しました。この新配合により‘ビフィズス菌発酵エキス’の<貯める保湿>と‘ビフィズス菌多糖体’の<与える保湿>でW保湿を実現しました。2つのビフィズス菌成分で、肌自体の潤い力が強化され、いつまでも潤い続ける肌に導 きます。さらに、肌にハリと潤いを与える「美肌成分」も配合し、つや・ハリのある、弾むような肌へと導きます。
もともと持っていた潤い成分は年齢とともに減少し、肌が乾燥して老化していきます。ビフィズス菌 JBL05株が産生する多糖体は、肌に足りなくなった水分を外から与え、お肌に潤いを与えてくれると考えられています。
どんなに素晴らしい効果が報告されている菌であっても、それが誰にでも効くというわけではありません。菌と腸内環境には相性があり、自分の腸に合っていない菌を摂取しても、あまり意味がないのです。
もちろん、ここで紹介したビフィズス菌JBL05株についても同様で、この菌が合うかどうかは、実際に摂取してみて、自分の体調の変化を確認してみるしかないのが現状です。
世の中に存在する乳酸菌・ビフィズス菌には数えきれないほどの種類があり、商品化されているものだけでも膨大な数があります。そのため、自分と相性の良い菌を見付けるためには、それなりの覚悟をもって、根気よく挑まなくてはなりません。
しかし、自分にピッタリの菌を見付けるのは、それだけの価値があること。一生をかけて、理想の乳酸菌を追求し続けるくらいの気持ちで挑むことが大切です。摂取せずにどんな菌が合いそうか、なんて考えても意味はないので、まずはどんな菌があるのかを知り、興味のあるものから順にかたっぱしから試していきましょう。
ただし、一部には例外といえる成分もあります。たとえば「乳酸菌生成エキス」という成分は、最初から自分が持っている乳酸菌を育てるためのものです。
そもそも乳酸菌を摂取するのは、自分の腸内で善玉菌を増やして腸内環境を整えることが目的。つまりこの成分を摂れば、自分にピッタリの乳酸菌を摂取するのと同様の効果が得られるというわけです。菌との相性を気にする必要がないため、手っ取り早く健康になりたいという方は、こういった成分を探した方が良いかもしれません。
ビフィズス菌JBL05株や、同株から生まれる多糖体(BPS)において、抗アレルギー作用や免疫力増強作用の可能性を見出した森下仁丹株式会社。同社は同菌の研究過程において、思わぬ効果である「保湿作用」も併せて発見しています(化粧品として商品化済み)。
さらに、皮膚への塗布を通じた保湿作用の試験の中では、「創傷治癒作用」も発見されました。
創傷とは、簡単に言えば皮膚の傷のこと。森下仁丹株式会社では、ビフィズス菌JBL05株から生まれた多糖体(BPS)、およびその誘導体が、優れた創傷治癒効果を持つことを突き止めました。
すでに、このメカニズムに関する特許出願は行っていますが、2019年5月現在、薬として商品化されたという情報はありません。より精度の高い成分開発に向け、研究を重ねている最中と推測されます。
創傷治癒作用の可能性を見出した同社は、これに関連して以下のようにコメントしています。
高齢化社会の本格的な到来で長期入院や寝たきりの患者が増えるとされ、これに付随する床ずれの予防や改善等に、より安全性の高い素材の適用が期待されています。当社では引き続きBPSの有用性を検討し幅広い分野への応用、実用化を目指してまいります。
引用元:森下仁丹株式会社「当社独自のビフィズス菌JBL05 株が産生する多糖(BPS)の創傷治癒効果に関する特許を出願」(pdf)
ビフィズス菌 JBL05株は、森下仁丹株式会社がヒトの腸管から発見したビフィズス菌です。
同社では、これまで行ってきた研究により、ビフィズス菌JBL05株およびJBL05株が産生する菌体外多糖に抗アレルギー作用があることを明らかにしており、その内容について特許の取得を行っています。
今回特許を取得した技術は、腸内常在菌であるビフィズス菌及びビフィズス菌が産生する 菌体外多糖といった副作用のない安全な素材を、経口摂取または皮膚に塗布することで、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などのアレルギー症状を抑制するといった内容となります。
引用元:森下仁丹株式会社「ビフィズス菌及びビフィズス菌が産生する多糖を利用した 抗アレルギー剤の特許権取得に関するお知らせ」(pdf)
アレルギー患者が増加傾向にある昨今、森下仁丹株式会社では、上記の技術の特徴を活かした食品や化粧品、医薬品の開発を行い、実用化を目指しています。
ビフィズス菌というと食品のイメージが強いかもしれませんが、ビフィズス菌 JBL05株が産生する多糖体が持つ優れた保水力に注目し、森下仁丹株式会社では、「ビフィーナスキンケア」と呼ばれる基礎化粧品を販売しています。これは不足してしまった肌の水分を外側から与える「ビフィズス菌多糖体」と細胞が潤いを溜め込む力を高める「ビフィズス菌発酵エキス」の2つの保湿効果を利用した商品です。
クレンジングミルク、ウォッシングフォーム、ローション(サッパリ系としっとり系の2種類)、モイスチャーエッセンス、モイスチャージェル、モイスチャークリーム、UVカットミルク
管理人:蝶野ハナ

乳酸菌と人との関係、菌株ひとつひとつの個性、数多くの研究データ……乳酸菌って、知れば知るほどスゴいんです。私たちにとって最も身近な細菌について、もっともっと深く知りたくないですか?