「イチビキコッカス」とは、1772年からみそやしょうゆをはじめとする発酵食品を手がけてきたイチビキ株式会社によって発見された乳酸菌。もともと、同社が保有するみそ蔵に住み着いていた乳酸菌です。
ほかの乳酸菌と同様に整腸作用が期待されており、みそや甘酒など、多彩な形で商品化されています。この記事では、その特徴や商品展開についてご紹介します。
「イチビキコッカス」とは、総合食品メーカー「イチビキ株式会社」が発見した乳酸菌。同社では味噌やしょうゆ、つゆ、おこわ、惣菜などを開発・販売しており、創業は安永元年という長い歴史を持つ企業です。
「イチビキコッカス」は、同社が持っているみそ蔵から見つかった乳酸菌であり、発酵学者の小泉武夫氏によって命名されました。
顕微鏡で覗くと、その見た目は「華のよう」と表現されています。イチビキ株式会社では、みそやしょうゆ、甘酒などさまざまな食品にこの乳酸菌を利用しています。
イチビキコッカスの特徴としてまず挙げられるのが、植物由来の乳酸菌であるということ。しかも、昔から日本で食べられてきたみそを作るための蔵から見つかったということもあり、「日本人のからだになじみ深い乳酸菌である」と言われています。
イチビキコッカスのもう一つの特徴としてあげられるのが、「サイズが非常に小さな乳酸菌である」ということ。その特徴から、腸で吸収されやすいと考えられています。
乳酸菌は、これまで世界中で行われてきた研究により整腸作用があることがわかっています。イチビキ株式会社のみそ蔵から見つかったイチビキコッカスも乳酸菌の一種であり、摂取することによって腸内のバランスを整えてくれると考えられています。
腸内環境を整え、便秘や軟便など、便に関するトラブルの改善が期待されています。
イチビキコッカスの効果に関する研究はあまり発表されていません。しかし、植物由来の乳酸菌であることからも、ほかの乳酸菌と同様に、腸内にいる細菌のバランスを整える「整腸作用」があると考えられます。
乳酸菌とは、炭水化物をはじめとする「糖」を消費して乳酸菌を作るという働きを持った細菌の総称。
もともと、17世紀にオランダの研究者により腸内細菌が発見され、18世紀ごろにはフランスで乳酸菌の研究が進められてきたものの、乳酸菌と健康の関係が判明したのは20世紀はじめのことです。乳酸菌については世界中で研究が行われており、研究が始まって以来多種多様な乳酸菌が発見されてきました。
さまざまな乳酸菌が発見され、健康との関係についても多くの研究によって判明してきましたが、中でも代表的な作用として挙げられるのが「整腸作用」。「健康の源」や「第2の脳」と言われる腸を整えることは、健康な体を保つために非常に重要であることがわかっています。
そこで注目されるようになったのが「乳酸菌」。乳酸菌を摂取することで腸内を酸性に傾けることができるため、腸内の腐敗を抑えたり、便を排出するためのぜん動運動を助けたりして、便秘をはじめとする排便にまつわるトラブルを改善してくれると言われています。
また、乳酸菌にはこのような整腸作用の他にも、腸内の細菌バランスを整えることによる免疫力のアップや生活習慣の予防・改善なども期待されており、さらなる研究が進められています。
この記事でご紹介しているイチビキコッカスも乳酸菌の一種。そのため、同菌を摂取することは腸の働きを整えることに繋がると考えられます。
この記事でご紹介しているイチビキコッカスも乳酸菌の一種。そのため、同菌を摂取することは腸の働きを整えることに繋がると考えられます。
どんなに素晴らしい効果が報告されている菌であっても、それが誰にでも効くというわけではありません。菌と腸内環境には相性があり、自分の腸に合っていない菌を摂取しても、あまり意味がないのです。
もちろん、ここで紹介したイチビキコッカスについても同様で、この菌が合うかどうかは、実際に摂取してみて、自分の体調の変化を確認してみるしかないのが現状です。
世の中に存在する乳酸菌・ビフィズス菌には数えきれないほどの種類があり、商品化されているものだけでも膨大な数があります。そのため、自分と相性の良い菌を見付けるためには、それなりの覚悟をもって、根気よく挑まなくてはなりません。
しかし、自分にピッタリの菌を見付けるのは、それだけの価値があること。一生をかけて、理想の乳酸菌を追求し続けるくらいの気持ちで挑むことが大切です。摂取せずにどんな菌が合いそうか、なんて考えても意味はないので、まずはどんな菌があるのかを知り、興味のあるものから順にかたっぱしから試していきましょう。
ただし、一部には例外といえる成分もあります。たとえば「乳酸菌生成エキス」という成分は、最初から自分が持っている乳酸菌を育てるためのものです。
そもそも乳酸菌を摂取するのは、自分の腸内で善玉菌を増やして腸内環境を整えることが目的。つまりこの成分を摂れば、自分にピッタリの乳酸菌を摂取するのと同様の効果が得られるというわけです。菌との相性を気にする必要がないため、手っ取り早く健康になりたいという方は、こういった成分を探した方が良いかもしれません。
イチビキコッカスは冒頭でもご紹介した通り、発酵食品を240年以上も作り続けてきた、イチビキ株式会社のみそ蔵から発見された植物由来の乳酸菌。その後、イチビキ株式会社が見つけた球菌(=コッカス)ということから、「イチビキコッカス」と名付けられました。
近年高まってきている健康志向のニーズに応えるために、さまざまな商品展開を推し進めてきたイチビキ株式会社。これまでも減塩商品の開発や、消費者が有効活用できるレシピの提供など、多彩な活動を行ってきました。
最近では、イチビキのみそ蔵に住み着いた乳酸菌であるイチビキコッカスを人々の健康増進に生かすため、さまざまな研究開発を行っています。
イチビキ株式会社では、植物由来の乳酸菌が持っている整腸作用に注目し、イチビキコッカスを含んだ甘酒やみそ、浅漬けのもとなどを「菌の恵み」シリーズと名付け、2017年から販売開始しています。このシリーズは、同社が保有するこうじ菌や酵母、乳酸菌を生かしたものであることが特徴といえます。
例えば、みそ汁1杯18gあたり、独自の技術によりイチビキコッカスを500億個配合した味噌「蔵華」。これは一般的なヨーグルト500g分に当たる乳酸菌が含まれています。
また、「飲む点滴」として人気の高い甘酒にもイチビキコッカスを配合。こちらは1杯あたりイチビキコッカス1,000億個を配合した商品です(ヨーグルトで考えると1000g分)。一般的な甘酒の他に、レモン味やゆずはちみつ味、しょうがはちみつ味など、さまざまなバリエーションを展開。紙パックでも販売されているため、外出先でも手軽に摂取することが可能な商品となっています。
ほかにも、1袋にイチビキコッカスが1,000億個配合された豆乳ぜんざいなどもラインナップ。このようにさまざまな商品を作り出すことができるのも、240年以上という長い年月をかけ、発酵食品を作り続けてきた同社ならでは。自分が摂取しやすい形で乳酸菌をたっぷりと摂取できることがメリットと言えるでしょう。
管理人:蝶野ハナ
乳酸菌と人との関係、菌株ひとつひとつの個性、数多くの研究データ……乳酸菌って、知れば知るほどスゴいんです。私たちにとって最も身近な細菌について、もっともっと深く知りたくないですか?