EC-12はベビー用品で有名なメーカー、コンビ株式会社で開発された素材で、正式な名称は、エンテロコッカス属フェカリス菌EC-12株と言います。私たちの腸内(ヒト腸管)に存在している乳酸菌の仲間です。
一般的に知られている多くの乳酸菌の大きさと比較するとサイズは5分の1という非常に小さなものです。そのため腸の内側にあるパイエル板が取り込みやすく、免疫細胞も刺激されるので免疫力をアップさせる効果があり大腸では善玉菌のエサになるので整腸作用も期待できます。
またEC-12は、たった0.2グラムで1兆個もの菌数を摂取できます。これはカップタイプのヨーグルトで比較した場合100個分に相当する菌数です。
いろいろな乳酸菌食品を試してきたけれど効果が実感できなかったという方でも、EC-12は2週間程度の摂取で腸内のビフィズス菌が増加し、排便量が増え便通も良くなるそうです。さらに最近では研究が進み、腸の調子を整えることでアトピーやアレルギー症状を和らげることができるという研究結果も報告されており、そんななかでもEC-12は、機能性データに関しての論文や学会への発表が30件近くもされています。
もちろん気になる安全性も、日本健康栄養・食品協会の安全性認証を取得済みです。このように安心して使用できる乳酸菌EC-12株は実際に、アトピー性皮膚炎にお悩みの方に、乳酸菌EC-12株を1日400mg(菌体数として2兆個) 2ヵ月以上摂取してもらったところ、75パーセントの方にアトピー性皮膚炎の発症要因となる可能性の高いハウスダスト-6抗原特異的IgEの量が低下することが報告されています。
コンビ株式会社で開発された乳酸菌EC-12は、整腸作用のほかにも免疫のバランスを整えるなどの様々な機能を備えた素材として他社に販売され、サプリメント(錠、顆粒、ソフトカプセル、ハードカプセル、ゼリー)加工食品(菓子、シリアル等)飲料、ペット用サプリメント、畜産飼料など、様々なものに商品化されています。
人を対象にした研究結果では、内臓脂肪を低減させメタボリックシンドロームに効果があると認められたエビデンスがあります。
人を対象にした研究結果では、スギ花粉抗原特異的IgE抗体産生が抑制され、花粉症の症状の改善に効果があるとされるエビデンスがあります。
人を対象にした研究結果では、腸内フローラの改善と腐敗生産物の減少が認められ、腸内細菌叢の改善に効果があるとされるエビデンスがあります。
40歳以上のBMI値25以上の男性5名に、EC-12を1日あたり200ミリグラム(菌数1兆個)、またはプラセボを12週間摂取してもらった結果、EC-12の摂取により、内臓脂肪の低減が認められ、メタボリックシンドロームのリスク軽減が期待されるという結果が出ました。
インフルエンザウイルスの感染1週間前からEC-12をマウスに経口投与したところ、ウイルス感染によるダメージ(体重減少)が低減された。感染初期に比べてウイルスの量がEC-12によって低下し、感染後期のウイルス中和抗体価があがった。この結果からEC-12は、自然免疫および獲得免疫の両方を活性化することにより、治癒を促進したと説明することができるという結果が得られました。
アトピー性皮膚炎(AD)は、免疫学的にはTh2ドミナントな疾患であり、これまでの研究からIL-12の作用で、アトピー性皮膚炎の症状の改善効果が得られることがわかっています。このことを背景として、乳酸菌の中でIL-12誘導能の高い乳酸菌株を選定し、動物実験と臨床試験においてAD症状改善効果を検討しました。
アトピー性皮膚炎症状を自然に発症させたマウスを用いて、毎日EC-12を口から飲ませてアトピー性皮膚炎の症状の変化を数値化して評価した。EC-12を与えたグループは、症状の発現が未摂取群と比較して軽度でした。
動物実験結果からEC-12の有効性が予測されたため、AD患者に現在の治療等は継続したまま、EC-12を連続飲用する臨床試験を行った。1回目の試験では60日間ずっと毎日飲んでもらい、2回目の試験では180日間という長期間に置いて、毎日飲んでもらって試験を行いました。この試験において、180日間EC-12を飲んでもらった人を調べたところ、ハウスダストに反応するIgE値レベルが低下することがわかりました。患者本人の満足度および医師の評価で、EC-12はアトピー性皮膚炎の症状を改善する効果が期待できることがわかりました。[注1]
下痢が頻発している離乳直後の仔豚にEC-12を経口投与したところ、溶血性大腸菌の陽性率が低下し、便性状スコアが改善。
このように様々な研究データが紹介されているEC-12にはたくさんの効果が期待できそうですが、なによりもEC-12を摂取し続けることが大切です。メーカーや商品によって多少の違いはありますが、1日数粒で、1兆個ものEC-12を摂取できて、ヨーグルト100個分にも相当するといわれる乳酸菌サプリメント。飲むタイミングや場所も選ばないサプリメントを利用することで無理なく手軽に健康効果を得られます。
乳酸菌EC-12を開発したメーカーは、東証1部上場のコンビ株式会社。子育てを経験したことがある方の間では一般的に知られている、かのベビー用品のコンビです。そのコンビが、EC-12という乳酸菌を開発した経緯をご紹介します
意外かも知れませんが、コンビはもともと医薬品の販売会社としてスタートした会社でした。1957年、医薬品の販売や医療機器の製造を目的に設立された「三信株式会社」が、現在のコンビの始まりです。
のち買収等を通じて、現在ではベビー用品の販売がメイン事業となっていますが、創業当時の健康志向のコンセプトは現在にも脈々と受け継がれています。
コンビの主力事業は大きく分けて5つ。中でも、もっとも有名な事業が「育児環境支援事業」。ベビーカーを始め、お子様の外出を支援する製品を販売する事業です。
他にもコンビは、赤ちゃんのベビーウェアを販売する「アパレル事業」、赤ちゃんの支援事業から応用的に生まれた「ペット事業」、そして創業当初のコンセプトを引き継ぐ「機能性食品事業」を展開しています。
「機能性食品事業」では、乳酸菌EC-12を始め、睡眠の質を向上させる「ネムノス」や乳酸菌EC-12を応用した「BR-108」など、たくさんの商品が開発・販売されています。
乳酸菌EC-12には、さまざまな形態での販売実績(剤形実績)があります。これまでの剤形実績を見てみましょう。
ハードカプセルやソフトカプセルの形態を始め、錠剤や顆粒、ゼリーなどさまざまな形態でのサプリメントに配合されてきました。
お菓子やシリアルなど、多くの加工食品に配合されてきた実績があります。
乳酸菌EC-12は液体の中に配合しても問題なし。乳酸菌EC-12を配合した飲料も展開されています。
昨今、愛犬家や愛猫家の中では、ペット用サプリメントが大人気。乳酸菌EC-12を配合したペット用サプリメントを食事に交えれば、愛犬や愛猫も健やかに育つことでしょう。
メーカーでは、乳酸菌EC-12を配合した畜産飼料の販売にも対応。企画商品はなく、すべて受注生産となります。
2015年6月30日、コンビ株式会社は、ヒトを対象の臨床試験で、乳酸菌による免疫刺激の詳しいメカニズムを解明したことを発表。将来的な医療現場で様々な応用が期待されてます。
以下、京都府立大学公式ホームページの掲載記事を参照し、コンビ株式会社による画期的な発見をご紹介します。
コンビ株式会社ファンクショナルフーズ事業部、および、京都府立大学の井上亮講師(生命環境科学研究科)、牛田一成教授(同)らの共同研究グループは、2015年6月30日、乳酸菌が持つ免疫刺激メカニズムの一部を解明したと発表。同研究成果は、アメリカの学術誌「PLOS ONE」にて公開されました。
乳酸菌が動物の免疫活動を活性化させることは、以前から多くの研究で報告されてきました。この免疫活性化作用を利用した健康食品も、これまで多く販売されています。
しかしながら、なぜ乳酸菌が免疫を活性化させるかという点については、長く未解明な部分が残されたまま。コンビ株式会社を含めた研究グループは、このメカニズムを解明するために、長年にわたり共同研究を行ってきました。
共同研究グループは2011年、マウス実験を通じて、乳酸菌の核酸(DNAとRNA)が免疫機能に関与していることを発見し学会で報告。以後、同様の作用がヒトにもあるかどうかについて、詳細な研究を続けました。
マウスに続いてヒトにおける研究を重ねた結果、同研究グループは、マウスと同様、乳酸菌の核酸はヒトの免疫細胞にも影響を与えていることを解明。乳酸菌の核酸の中でも、特に「一本連鎖RNA」が、免疫細胞を活性化させるインターロイキン-12(IL-12)に深くに関与していることを発見しました。
加えて、乳酸菌の「一本連鎖RNA」を認識するヒトの受容体についても、新たな知見を得ることができました。
インターロイキン-12(IL-12)とは、免疫細胞として知られるT細胞やNK細胞の活性を高める物質。当初は「NK細胞刺激因子」とも呼ばれていました。 インターロイキン-12(IL-12)の働きで免疫細胞が活性化させることにより、感染防御作用や抗がん作用、免疫不全の改善効果などが得られるのではないかと期待されています。なお、インターロイキン-12(IL-12)の投与により、HIV感染患者における免疫活性が顕著に見られた、との報告があります。
管理人:蝶野ハナ
乳酸菌と人との関係、菌株ひとつひとつの個性、数多くの研究データ……乳酸菌って、知れば知るほどスゴいんです。私たちにとって最も身近な細菌について、もっともっと深く知りたくないですか?