種類やはたらきが丸わかり! 家族のための乳酸菌大辞典

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ブルガリクス菌(ブルガリア菌)

ブルガリクス菌(ブルガリア菌)とは、正式名称を「Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus(ラクトバチルス デルブリッキィ 亜種 ブルガリクス)」といい、1905年に発見された桿菌(細長い棒状の菌)の一種です。 ヨーグルト作りには欠かせない乳酸菌のうちのひとつで、サーモフィラス菌とともに日本でもよく名の知られた菌でもあります。

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ブルガリクス菌(ブルガリア菌)の特徴

ヨーグルト作りのための代表的な菌

ブルガリクス菌は、ヨーグルト作りに欠かせない菌として有名です。ヨーグルト菌としては、ブルガリクス菌というよりもブルガリア菌という名前のほうが耳に馴染みがあると思います。“ヨーグルト”という食品の定義が広い日本とは違い、欧米では「ブルガリア菌」と「サーモフィラス菌」を使用したものしか、ヨーグルトという名称を使用できません。この2つの菌は共生関係にあり、一緒に生育させると短時間でお互いに増殖するという特徴があります。また、2つの菌が一緒になることで、ほかの乳酸菌よりも多量の乳酸を生み出してくれるというメリットもあります。

生菌でも死菌でも体に役立つ

プロバイオティクスという考え方が浸透しているため、『乳酸菌は生きたまま腸に到達することが大切』だというイメージが強い人も多いのではないでしょうか。しかし、ブルガリクス菌の長所のひとつとして、「仮に腸に到達する前に死んでしまったとしても体に有用な点」が挙げられます。ブルガリクス菌は腸に着くまでに死んでしまいやすい菌ではありますが、最近の研究結果では「たとえ死んでしまったとしても、他の乳酸菌のエサとして再利用される」ということがわかりました。そのためブルガリクス菌は、生きて腸に届くことにより腸内フローラの環境を整える効果があり、死んでしまったとしてもリサイクルができるため、とても効率のいい乳酸菌だといえます。

ブルガリクス菌(ブルガリア菌)の効果

整腸作用

ブルガリクス菌などを使用したヨーグルトなどを食べると、腸内フローラの細菌バランスが改善され、おなかの調子を整える効果があります。ブルガリクス菌やサーモフィラス菌といったヨーグルトの種菌以外に、色々な乳酸菌を配合させたヨーグルトもたくさん販売されています。

美肌効果

便秘で腸内に老廃物がたまると、老廃物から発生したガスがおなかにたまりやすくなります。そうしてたまったガスは血流により肌に届いてしまうため、結果として肌荒れの原因になりがちです。そのため、ブルガリクス菌の働きによって得られる整腸作用には、肌の調子を良くするという効果も期待できます。

免疫力が高まる

ブルガリア菌のなかには、免疫力を上げて風邪にかかるリスクを下げる働きがあるものもあります。

佐賀県有田町在住のヒト試験ボランティア 95名(60歳以上)のうち半数の方に、多糖体産生ブルガリア菌ヨーグルト(90g/日)を連日摂取していただきました。残りの半数の方には牛乳(100ml/日)を連日摂取していただきました。12週間の摂取期間終了後には牛乳摂取群、ヨーグルト摂取群いずれも免疫機能の増進が確認されました(NK細胞活性、T細胞増殖能が有意に亢進)。NK細胞活性については特にヨーグルト摂取群で顕著な是正効果がみられました。山形県舟形町のボランティア(69歳以上 57名)による試験でも同様の結果が得られています。

引用元:株式会社明治|明治乳業プレスリリース 2008年

NK細胞(ナチュラルキラー細胞)とは、がん細胞やウイルス感染細胞を見つけると攻撃してくれるリンパ球です。多糖体産生ブルガリア菌ヨーグルトを食べることにより、NK細胞の活性が上がることが分かっています。

ブルガリクス菌(ブルガリア菌)の歴史

ブルガリアのヨーグルトから発見

ブルガリクス菌が最初に発見されたのは、1905年のことです。発見したのはスタメン・グリゴロフという人物で、細菌学を専攻する医学者でした。ブルガリクス菌を発見するきっかけになったのは、妻となる女性から渡された、ブルガリアの伝統的な壺「ロカットゥカ」に入ったヨーグルトです。グリゴロフはこの壺に入ったヨーグルトの発酵菌を研究することに没頭し、ついに3種類の嫌気性菌(酸素を嫌う菌)を発見しました。この時、なんと彼はまだ27歳という若さでした。

腸内フローラの重要性に最初に気付いた科学者

そののち、グリゴロフはその研究の有効性を認められ、とある人物により細菌学研究の最高峰であったパスツール研究所に招かれます。その人物は、イリア・メチニコフという科学者です。メチニコフはかねてから「腸内細菌」の重要性に気付いており、ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌の効果に着目していました。グリゴロフとの出会いもあり、メチニコフはさらに研究を深め、「ヨーグルトの不老長寿説」を掲げます。その後、「乳酸菌は腸に到達する前に死滅するため効果がない」という説が流れ、ヨーグルトのブームは一時控え目になってしまいます。しかし、100年後の現在では、生菌と死菌の両方の有用性がわかっており、ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌はおなかの健康に欠かせないものとされています。メチニコフは最初に腸内フローラの健康に着目し、またその理論は100年たってから彼の死後に、再評価されることとなりました。

自分に合った菌を摂取することが重要

ただし、どんなに素晴らしい効果が報告されている乳酸菌であっても、それが誰にでも効くというわけではありません。菌と腸内環境には相性があり、自分の腸に合っていない菌を摂取しても、あまり意味がないのです。いろいろ買ってみて試してみる、というのも楽しいかもしれませんが、自分に合う菌と出会うためには、それなりにお金と時間をかける必要があります。

そこで、自分に合った菌を探すのに役立つツールとして「乳酸菌相性チェッカー」を用意してみました。乳酸菌選びで迷っている方は、ぜひ活用してみてください!

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参照元

  1. 2008年|明治乳業プレスリリース:https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2008_meinyu/detail/20081127_01.html
  2. 明治ヨーグルトライブラリー「ヨーグルトの成分」:https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/yogurt/02/01/
  3. 明治ヨーグルトライブラリー「ヨーグルトの研究者たち」:https://www.meiji.co.jp/yogurtlibrary/laboratory/researcher/
  4. ヤクルト中央研究所「ラクトバチルス デルブリッキィ 亜種 ブルガリクス」:https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4246/

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管理人:蝶野ハナ

蝶野ハナ

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